兵庫県朝来市山東町のクリニック。在宅療養支援診療所　そよかぜ診療所です。

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２０２１年　地域研修体験記

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　研修医２年　椿本　和明

　この度地域医療研修として、朝来市山東町にあるそよかぜ診療所で1か月間お世話になりました。研修初日の昼過ぎ、山東町に到着してまず目についたのが、綺麗な緑をした山々でした。山東町は山に囲まれたような地形をしており、四方どこを見渡しても山が見えるのは、僕にとっては新鮮でした(大学病院のある神戸は、北に山、南に海があるので、山が見えれば北、というのが身に沁みついてしまっていたのかもしれません)。僕が研修したのは5月というのもあり、山は本当に目が覚めるような緑をしていて、とても清々しいものでした。
　診療所について驚いたのが、周りの方々が本当に親切で、とても良くしてくださったことです。正直見知らぬ場所で1か月生活することに始めは緊張もしていたのですが、皆さんの優しさのおかげで、すぐ慣れることが出来ました。この場を借りてお礼申し上げたいです。
　また研修面においても、いろいろ勉強させていただくことが出来ました。午前は採血やレントゲン撮影、頸部や心臓のエコー検査、時折外来実習をさせて頂きました。特にエコー検査をさせて頂いたことは、将来内科にすすもうと考えている僕には非常にありがたいことでした。何回もご指導いただき実践していく中で、以前よりかなりエコーになじむことができました。午後からは訪問診療をさせて頂きました。実際に患者さんの家に出向き、その方の居住空間や家族構成、その人毎の生活を見る中で、医学的には似たような疾患・病態の患者さんでも、必要としていることは異なっている事があることを学ばせていただきました。大学病院などで患者さんと接するときは、みんな入院していることもあり、生活の差異はほとんどありません。ですがその方達も疾患が治って退院して家に帰るとなると、もしかすれば問題が生じてくるかもしれません。そういったこと、難しい言葉で言えば全人的な医療というものの大切さを、以前より実感させていただきました。
5月はゴールデンウィークもあり、あっという間に過ぎた1ヶ月でした。研修後半は梅雨に入り雨が続いていましたが、朝もやに隠れた山々もそれはそれで美しいものでした。山東町は水が綺麗でお米もおいしく、そのため酒造もいくつかあるとのことでした。が、今年はコロナ過であり、美味しいお酒を飲めなかったことは心残りではありますが、それを除けば今回の研修は非常に有意義かつ印象深いものとなりました。山東町の山々の五月の新緑も、きっとこれから夏になり立派になるように、僕も医師として一人前になれるよう、これからも研鑽を積んでいきたいと思います。秀樹先生静子先生黒瀬先生、皆名前を挙げると長くなってしまうので泣く泣く割愛させて頂きますがスタッフの方々、1ヶ月間本当にお世話になりました。またお会いできる日を楽しみにしております。
　
2021.6.9
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